2022 年 58 巻 2 号 p. 83-92
3種類の培地(WC,CB,CT培地)を用いて,藍藻類Dolichospermum planctonicumの栄養細胞とアキネートの増殖特性を調べた。また,アキネートを回収する2種類の方法(リゾチーム法と沈降分離法)を比較し,どちらの方法が効率的かを検討した。その結果,WC培地はCB培地やCT培地と比較して栄養細胞とアキネートの平衡密度が高く(p < 0.05),WC培地ではそれぞれおよそ1.23 × 107 ± 1.58 × 106 cells・mL-1および1.60 × 104 ± 3.46 × 103 cells・mL-1であった。これらの結果から,WC培地はD. planctonicumの培養に適していると考えられた。D. planctonicumのアキネートを回収する方法として,リゾチーム法と分離漏斗を用いた沈降分離法を比較した。その結果,前者の方が栄養細胞からアキネートを分離するのに適し,回収率も高かった(リゾチーム法:66.7%,沈降分離法:55.0%)。本研究で得られた結果は,富栄養湖におけるアオコの発生を抑制するために,また,アキネートの発芽および堆積物からのアキネートの回帰のメカニズムを解明するために有用であると考えられる。