抄録
1983年11月長野県須坂市臥竜公園の池でえたNavicula notha300個体を調査した。
本種はケイ殻の外形と大きさの変異が小さい。しかし, 中心域の形, 大きさにはかなりの変異がみられる。
本種のケイ殻の外形はNav. cryptocephalaに似ているが, 本種はケイ殻幅が小さいことで区別することができる。Nav. capitatoradiataはNav. cryptocephalaよりさらに値が大きいため, これらの特徴から上記3種と区別が可能である。
本種とNav. cryptocephalav. venetaとの区別点はケイ殻長とケイ殻幅との比率で区別可能で, 本種の方が値が大きく, すなわちすらっとしていることを示している。
中心域を構成する横条線数の少ないものから順に記すと次のようになる。Navicula cryptocephala var. veneta, Navicula notha, Navicula cryptocephala。