1986 年 22 巻 1 号 p. 13-18
1) 諏訪湖産Cymbella tumida300個体を著者らの定法によって研究した。
2) ケイ殻の先端の突出するもの約92%, 突出しないものは8%である。腹縁が湾入するもの約8%, ほぼ真直のもの約18%, 中央部が弱く湾出するもの約71%, 強く湾出するものが約3%である。
3) 中心域はやや小さいもの約17%から大きいもの約83%まであり, 様々な中間系で連続している。背側と腹側の中心域の形, 大きさの異なるもの約28%, ほぼ同じもの約72%である。
4) 中央部横条線は放射状で, 両端部は放射状の個体約91%, 放射状・収れんが混合しているもの約9%である。
5) ケイ殻長は38.5~96.0μm, モード60~69.5μm, ケイ殻幅15.5~22.0μm, モード18.5~19.0μm, 中央部横条線は10μm間に背側7~11本, 腹側7~12本である。両端部は背側9~13本, 腹側10~14本である。これらの値は従来の記録とほぼ同じである。
6) 今回調査した個体群の形態からf. ventralis Gandhi, var. borealis Hustedt, var. baicalensisは基本種と連続する形態であるため, これらの3つのtaxaは基本種のsynonymにすべきである。