日本水処理生物学会誌
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銅材料の殺藻効果とその応用に関する研究
橋本 奨岩堀 恵祐
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1988 年 24 巻 1 号 p. 74-83

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抄録

銅メッキ粒, 市販の銅線ならびに粒状銅, 片状銅の殺藻効果を実験的に検討し, 次の知見が得られた。
1) 銅メッキ粒からの銅溶出はLangmuir型で, また粒状銅, 片状銅からの銅溶出はFreundlich型でそれぞれ近似できることがわかった。市販の銅線は, 何らかの加工・処理が施されており, 銅は溶出しなかった。
2) 銅メッキ粒は培養液の成分と投入個数により, 培養液中で錯塩をつくることがあり, 銅溶出速度に大きな影響を及ぼすことが示唆された。
3) 藻体SS濃度, pHおよび増殖速度恒数k値から, 銅メッキ粒および粒状銅, 片状銅は殺藻効果を期待できることが明らかとなった。
4) 同一表面積の銅材料であれば, その体積を小さく, 投入個数を多くして, 藻体と銅材料を接触させることにより殺藻効果が高まることが示唆された。
5) 得られた実験成績をもとに, 銅メッキ粒, 粒状銅の実際的な利用方法を提示した。

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