抄録
『水耕栽培型水処理法』に使用している東南アジアの水生野菜パックブンにはペルオキシダーゼが高い活性で含有されていることを明らかにした。水道水を用いた簡単な抽出操作でパックブン細胞に含有されるペルオキシダーゼの約59%を回収することができた。抽出したペルオキシダーゼの粗酵素抽出液は低温下での保存・安定性に優れていた。パックブン・ペルオキシダーゼは西洋ワサビやカビPenicularia filamentosaのペルオキシダーゼとは基質特異性の点で若干異なっていることが明らかになった。『水耕栽培型水処理法』の副産物として連続収穫できるパックブンをペルオキシダーゼの抽出材料として有効利用できる可能性を示した。