紙パ技協誌
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省エネルギー特集 I
大型多管式貫流ボイラ「イフリート」シリーズの特長とコルゲートマシンへの適用例
戸田 尹
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2005 年 59 巻 5 号 p. 665-674

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抄録

近年, 小型多管式貫流ボイラの利便性が評価され, その産業用ボイラ全体に占める割合が容量比においても約85%にも達している。この利便性とは, 貫流ボイラの高い安全性からの法的規制緩和処置に端を発している。コルゲートマシンや抄紙器に使用されるボイラは, 蒸気圧力が1.0 MPa以上で小型ボイラの適用が受けられないため, その利便性を100%享受することはできない。しかし, 多管式貫流ボイラの利便性は法的な面だけではなく, 低コスト, 高効率, 省スペース, 省力化, 低公害, 故障時のリスクヘッジと言った面でも, よりユーザニーズを満たすべく改良競争がなされてきた。
当社は, 小型ボイラの適用から外れる大型・高圧分野においても多管式貫流ボイラのこれら利便性を提供すべく大型多管式貫流ボイラ “イフリート” シリーズを開発・販売している。そこで, このシリーズの特長と, 使用例の一つとしてコルゲートマシンへの適用例・運転実績をご紹介する。
通常, 多管式貫流ボイラを使用した場合蒸気圧力が一定に安定することは無いが, この例に示すごとく “イフリート” シリーズは蒸気圧力・水位制御共, 比例積分制御を行うことが出来るため, 従来の水管ボイラや炉筒煙管ボイラと遜色の無い安定性を実現している。特に, コルゲートマシンのように温度制御が製品の品質・歩留まりに影響するような用途には最適の機種と言える。また, ”イフリート” シリーズは, 省エネ面で重要なドレン回収についても優れた適応性を有しており, この点についてもその特長を紹介している。

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© 2005 紙パルプ技術協会
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