紙パ技協誌
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総説・資料
第91回PAPTAC (カナダ紙パルプ技術協会) 年次大会参加報告
豊福 邦隆
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2005 年 59 巻 5 号 p. 714-719

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抄録

第91回PAPTAC (カナダ紙パルプ技術協会) 年次大会が2005年2月8~10日にカナダのモントリオールで開催され, これに参加したので概略を紹介する。
年次大会は, 展示会と合わせて参加者1万名以上, 展示会は400社以上ということで, 単一の年次大会では世界一の規模であろう。
講演の内容は純学問的なものから, 企業の宣伝的なものまで, いろいろとあり, 幅広い内容となっている。
カナダは, 日本に比べて, 紙パルプの生産量は少ないが, 国としての産業の重要性が日本より高く, 紙パルを研究する大学が, トロント大学, マクマスター大学, マギール大学, ニューブルンスウィック大学, ブリティッシュコロンビア大学等多数あり, 事実, これらの大学から, 発表が行われた。また, 研究機関として, パプリカンとエコールポリテックがあり, なかでも, パプリカンは圧倒的多数の発表を行っていた。
口頭発表総数は146件, 別に, 大学院生の発表が17件あった。カナダが93件, 海外が53件で, 海外では, 米国29件, フィンランド9件, ドイツ6件が主なところである。
内容は, プロセス毎の製紙技術, メカニカルパルプ, 新技術, 漂白, IT技術の利用, 繊維特性の研究といったものから, 非木材, リサイクル, 環境まで, 幅広い内容となっている。
日本の紙パルプ技術協会は, 年次大会は企業中心で行い, 研究発表を主体とした紙パルプ研究発表会を別途開催しているが, PAPTACはこれを一緒に行っているのが特徴である。

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© 2005 紙パルプ技術協会
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