紙パ技協誌
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研究報文
上下辺中央域に一様集中荷重を受ける異方性段ボール箱型容器(正方形胴)の弾性応力解析
松島 理松島 成夫
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キーワード: Q6板紙試験法, T8段ボール
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2006 年 60 巻 4 号 p. 586-604

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抄録
上下辺中央に一様集中荷重を受ける正方形胴(異方性胴)の段ボール箱型容器(幅L:高さh)の弾性応力表示の導出をした。そして,その表示によって応力解析をおこない,幅,高さ方向の垂直応力σx,σy,せん断応力τxy,主応力σ1,主せん断応力τ1の最大値(σxmax,σymax,τxyma,σ1min,τ1max)を求め,σxmax,σymax,τxyma,σ1min,τ1maxの特性を議論した。
異方性容器のσx,τxyは各等方性のもののνxyEx/Ey倍,σymin/(σymin-σxmin)倍程度である。Ex, Eyは幅,高さ方向の縦弾性係数,νxyはポアソン比(高さ方向垂直ひずみの幅方向垂直ひずみへの寄与)である。σxmin,σymin,σ1minの位置は荷重位置にあり,容器の形状変化に無関係であるが,Lおよび荷重幅2Δxの増加によってτxymax,τ1maxの位置は上下辺の隅からL/2±Δx3の位置に留まるように変化する。
側板(原点は1隅,x,y軸は幅L,高さ方向h)上下辺中央に分布幅2Δxの一様分布荷重py0(=-1N/mm2)を受ける異方性正方形胴段ボ―ル箱型容器の上下辺のx方向の変位および側辺のx方向の垂直応力σxを零として,側板の応力表示を導出し,諸応力成分および主応力σ1,主せん断応力τ1の状況を議論した。ただしL=300mm,h=300mm,Δx=20mm,x,y方向の縦弾性係数Ex=2.91×103N/mm2,Ey=1.53×103N/mm2,ポアソン(x方向の垂直ひずみのyひずみへの寄与)νxy=0.1とした。
異方性容器のσx,τxyは各等方性(ポアソン比ν=νxyのとき)のもののEx/Ey倍,(1+σxmin/σymin)である。σxmax,σxmin,σymin,σ1maxの位置は形状変化によって変化しないが,L,xの増加によってτxymax,τ1maxの位置は位置x=L/3また2L/3,y=0またhから位置x=0,y=0またhへの移動する。
x方向の垂直応力σxの最大値はσxmax=0.113N/mm2,最小値はνxyppy=-0.193N/mm2である。y方向の垂直応力σyの絶対値最大値はσymin=-1N/mm2であり,せん断応力τxyの絶対値最大値はτxymax=0.487N/mm2である。主応力σ1の絶対値最大値はσ1max=-1.014N/mm2,主せん断応力τ1は絶対値最大τ1max=0.605N/mm2である。異方性容器の諸応力分布状況は等方性のものと同様である。
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© 2006 紙パルプ技術協会
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