紙パ技協誌
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総説・資料
中性領域での新聞古紙の脱インキについて
―北米での操業結果及びアジア―太平洋地区での可能性―
ジム マーザダニエル ヘインズヨハン アレンクリスティーネ チェジックジェイミー マックムーレンマイラ フォング茨 弘三曽根原 克和
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キーワード: W3脱墨剤, G5脱インキ
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2006 年 60 巻 6 号 p. 890-899

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抄録

通常,脱インキ処理工程はアルカリ領域で行われているが,中性領域へ変更する事により様々なメリットが得られる。エカケミカルス・PAPRICAN(Pulp & Paper Research Institute of Canada)・ボーウォーター社サンダーベイ工場の三社で,亜硫酸ナトリウムを使用する中性領域での脱インキ処理の開発に成功し,今回,一年間にわたる三工場での操業結果を報告する。
脱インキ処理を中性領域下で行う事により,使用薬品コスト低減,パルパーでの有機コロイド状物質生成の抑制,夏焼け古紙の影響を低減,抄紙機でのピンホール減少等の結果が得られた。
紹介する三工場すべてで,コスト削減や抄紙機の操業性改善,環境負荷低減などの効果により,現在も中性領域での脱インキ処理が継続して実施されている。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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