紙パ技協誌
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パルプ特集
中芯製造における紙管古紙の利用について
中西 武文
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キーワード: G2離解, G1古紙一般
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2006 年 60 巻 7 号 p. 1027-1031

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抄録

近年は環境保全,資源保護に対する意識の高まりからリサイクル活動が活発化し,循環型社会の構築が進められている。こうした動きの中で国内の古紙利用率は着実に上昇し,2003年度には60%を達成するに至った。反面,利便性を追求する中で耐湿性を強化させるなどの機能紙の多様化が進み,従来の設備では離解が困難な難離解性古紙の増加が問題となっている。これらはその難離解性のため,離解に多くの設備動力を費やさねばならず,従来は大半が原料として再利用されることなく産業廃棄物として処分されていた。今後更なる古紙利用率アップが求められる中で,これら難離解性古紙の再利用は避けて通れない課題になりつつある。
レンゴー金津製紙工場は1961年に稼動を開始した2台の中芯マシンを有し,1993年に古紙利用率100%となるなど古紙の利用促進を図ってきたが,上述のような問題に対応するため,2004年に紙管古紙処理設備を導入した。
回収紙管古紙はそのままの形で投入され,加温,薬品添加等は行わない。離解原料は既設段古紙パルパーへ直接投入され,以下同じ工程にて精選処理される。このような条件で製品品質にどのような影響があるか調査した結果,テーブルテスト,実機試験結果ともに強度の低下が無く,特に問題なく運転可能であることが明らかになった。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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