紙パ技協誌
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パルプ特集
植林木LチップのKP操業への影響
安藤 和彦
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2006 年 60 巻 7 号 p. 1032-1037

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抄録

近年の地球温暖化対策や自然保護活動等による植林の増加,天然木伐採の減少から,日本の多くのKP工場では,年々植林木チップの使用比率が増加しており,その傾向は今後加速していくと予想される。我々製紙産業にとって,この原料特性の変化に上手に対応することは使命であり,それには操業工夫が求められる。
石巻工場LBKP工程は,コンベンショナル蒸解,D―ECF漂白の正にオーソドックスなKPプラントである。当工程では,植林木チップは天然木チップに比べ,蒸解・漂白薬添が低く,歩留も高いため,経済面において大変有利であることを確認し,反面,粕発生増によりノッター詰まりを起こし易く,脱水悪化により漂白フィルターシート剥がれを起こし易いため,操業性の悪化も確認している。工場では,チップ配合組み合わせの工夫,その他操業工夫により対応している。ここではそれらを含めた,操業影響と対策例を紹介する。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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