2007 年 61 巻 7 号 p. 786-792
日本における機械パルプ設備の新規設置の停滞に対して,海外では現在も新プラントの設置や新ラインの増設が行われている。この動きを推し進める力として重要な機械パルプのコスト削減がさまざまな方法によって行われている。
機械の大型化によるライン当たり生産量の増加,それによってもたらされる省エネルギー,低コストと高品質をもたらすプロセスの採用,省エネルギーリファイナーセグメントの開発等がそうです。中でも新しいプロセスでは従来にはなかった低濃度リファイニングを積極的に取り入れたフローも見られ,実際の操業で当初の目的を十分達成している。
新設の機械パルプ設備にはアスペンやポプラを原料とした広葉樹CTMPも含まれる。同じ傾向を示す広葉樹において使用原料ではその程度は異なるため,パルプ使用用途に応じて使用原料から得られるパルプ特性をその用途に合わせこむためにパイロットプラントでのトライアルが必要となる。
また既存の設備をより優れたものに改良するためのさまざまな取り組みも行われており,系外への繊維の流失を防ぐための機械式蒸気セパレーターやその他の改造用機器が開発されている。