紙パ技協誌
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パルプ特集
印刷適性に及ぼすパルプの影響について(II)
大篭 幸治
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2007 年 61 巻 7 号 p. 780-785

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抄録

印刷用紙の主要銘柄のひとつである微塗工紙は,原紙に機械パルプが配合された塗工紙であり,主としてヒートセットオフセット輪転印刷機で使用される。このため微塗工紙には,一般的な光学的品質,ブリスター耐性等に加え,ヒートセットラフニング等の固有の課題がある。ヒートセットラフニングは印刷工程で紙の表面に湿し水または湿し水を含むインキ等が付与され,乾燥される際に,紙の面外方向の内部応力が解放され,繊維が隆起する現象であり,印面の品質を低下させるため深刻な問題となる場合がある。
ヒートセットラフニングの主要因は長繊維の機械パルプであり,特に壁厚が厚いほどその傾向は顕著となる。機械パルプの叩解強化によりヒートセットラフニングは低下するが,その効果は限定的である。塗工紙製造の際のプレカレンダー,塗工方法,塗工量,カレンダー処理条件等もラフニング抑制効果はあるが,製造方法を変更することは容易ではない場合が多い。

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© 2007 紙パルプ技術協会
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