抄録
日本製紙連合会では,2010年度までに紙パルプ産業の廃棄物の最終処分量を45万トンに低減し,有効利用率を93%以上にすることを目標に掲げている。現在,紙パルプ産業から最終処分される廃棄物の多くは焼却灰であるが,紙パルプ産業では,化石燃料に変わるバイオマス燃料として木屑,可燃性廃棄物としてRPF,廃タイヤ等の使用量を年々増加させており,逆に焼却灰の発生量は増加の一途を辿っている。焼却灰の中では,今もってペーパースラッジ灰(以下,PS灰)の発生量が最も多く,最終処分量を減少させるには,その有効利用先を広げ,有効利用量を増加させる必要がある。本報告では,PS灰の有効利用方法について報告する。