地球規模の環境問題やエネルギー問題への対策として,未利用地への植林が可能な組換えユーカリの開発を目的に研究を行っている。そのために,まず商業利用されている2種類のユーカリ(E. camaldulensis, E. globulus)への遺伝子導入法を開発した。さらに,未利用地の大部分を占める乾燥地では塩害が問題となっているため,これら2種類のユーカリへ耐塩性遺伝子を導入し,何れの品種においても耐塩性の組換えユーカリの作出に成功した。そして一部の選定した系統については,特定網室での栽培により,耐塩性の確認と環境への影響を評価するための試験を実施した。さらに耐塩性E. globulus3系統については,野外へ植栽するための第一種使用申請を行った。2008年2月に主務省庁(文科省,環境省)に承認され,3月に筑波大学の隔離ほ場へ植栽し,現在は野外における評価試験を行っている。