紙パ技協誌
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新入社員歓迎号
フェルト洗浄クリーナーの操業経験
前田 明
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2009 年 63 巻 4 号 p. 388-391

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抄録

王子板紙株式会社江戸川工場の5号抄紙機は,首都圏から発生する大量の古紙を再生して活用,お客様のニーズに合った高品質の白板紙を生産している。同抄紙機ウエットパートでは,プレスフェルト3反にて,初期脱水を行うため,フェルトの汚れによるトラブルが発生しやすいパートである。近年,古紙の再利用循環が進む中,原料強度低下等,古紙品質が悪化してきている。また,客先品質要求度も高くなり,工程内薬品が増添加傾向となり,ウエットパートでのフェルト汚れが進行する問題を抱えていた。2008年5月に,従来の高圧洗浄より高い水圧でフェルト中層付近の汚れを洗浄するプロジェット社のフェルト洗浄クリーナー(プロクリーナーTypeP)を設置し運転を開始した。フェルト使用後期での使用開始にも関わらず,フェルトの汚れ状態が回復し,延命を達成した。現在,新反フェルトに取替え,洗浄圧30~40barにて連続洗浄を行っているが,脱毛等の品質トラブル,その他設備トラブルは発生していない。
本報では,フェルト洗浄クリーナー(プロクリーナーTypeP)を国内初導入した操業経験,並びに効果について報告する。

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© 2009 紙パルプ技術協会
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