近年,ヒトゲノム完全解読プロジェクトをはじめとして250種の生物ゲノムが解読されてきており,猛烈なスピードで生物情報が蓄積されている。それにともない大量の生物情報の中から生物学的な意味を抽出する情報処理技術(バイオIT)が注目されている。
当社では,バイオIT技術を駆使して大量の生体情報の中から有用情報(バイオマーカー)の抽出ならびに応用を試みている。ユーカリの成長が良いのか悪いのか,材質が良いのか悪いかなど遺伝的潜在能力を調べるためのSNPバイオマーカー,栄養状態やストレス状態を調べるための代謝物・転写物バイオマーカー開発を行っている。これらのバイオIT技術を現場に応用することにより,既存の植林技術(育種,育林技術)の改良ならびに加速化を目指す取り組みについて紹介する。