紙パ技協誌
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パルプ特集 I
パルプ漂白研究の今と昔
岩崎 誠
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2011 年 65 巻 9 号 p. 866-872

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抄録

筆者が,その開発に関係した,
1)中濃度酸素漂白(中濃度パルプの酸素漂白としては,わが国で始めて苫小牧工場に導入されたが,当初の脱リグニン率が達成できず苦労し,最終的に確立)
2)キシラナーゼ処理漂白(LUKPを自製したキシラナーゼで処理をして,後段の塩素添加率を低減することを目的に,わが国では最初であり,世界でも酵素を自製して行なう試みは始めて)
3)ECF漂白での退色問題と対応(L材のECF晒に変換した際,ある状態での退色が問題となった。それの原因究明=ヘキセンウロン酸と,それに対する対応策を見出し,各工場に導入した)
の話と,その後に,若手の頑張りによって,酸素漂白では三段酸素晒,キシラナーゼ処理の排液からのキシロオリゴ糖の製造の検討,退色原因物質であるヘキセンウロン酸を効率よく除去でき,漂白薬品の削減にも効果のある過硫酸処理の開発についても述べる。

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© 2011 紙パルプ技術協会
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