2011 年 65 巻 9 号 p. 873
パルプ技術委員会では,紙パルプ業界内での技術情報の提供及び共有を目的に2009年度(2009年4月~2010年3月)のKP操業状況について国内30KP工場を対象にアンケート調査を行い,得られた結果を取り纏めたので報告する。前回データを取った1998年は,ダイオキシン対策として全国各工場の漂白設備をECF化へ移行し始めた時期であったのに対し,今回の調査はECF化がほぼ完了した時期にあたる。
報告内容は以下のとおりである。
1)パルプ品種別生産量と使用樹種について
2)チップの受入基準と前処理について
3)蒸解工程では,蒸解方式,連釜能力,蒸解条件,安定操業対策等について
4)洗浄・精選工程では洗浄段数・洗浄機形式及びノット処理について
5)酸素脱輪リグニン工程及びその後の洗浄設備については,酸素脱リグニンの方式,操業条件,洗浄管理指標等について
6)未晒工程まとめ
前回1999年に実施されたアンケート報告との対比を中心に報告する。