2012 年 66 巻 4 号 p. 333-335
TMPは各種パルプの中でも,製造時,特に磨砕工程で非常に多くの電力を消費するパルプである。従って,TMP工程の磨砕電力原単位削減は,コストダウン・省エネルギー推進の観点から継続的に取り組むべきテーマである。特に,どのようなパターンのプレートを導入するかは,得られる省エネ効果とパルプ品質とのバランスで常に重要な課題として検討されてきている。
日本製紙釧路工場でも長年にわたり,さまざまな省エネプレートを試行して磨砕電力原単位の削減に努めてきたが,2009年11月よりアンドリッツ社の省エネプレートを導入して以降,従来のパルプ強度を維持しつつ磨砕電力原単位の20%の削減,さらにはプレートライフの延長と大きなコストダウンと省エネを達成することができた。
本稿ではその取り組みについて報告する。