紙パ技協誌
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総説・資料
セルウッド社製グルッベンスパルパー導入による省エネ効果
―既設パルパーローター部の改造―
井上 大輔
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2012 年 66 巻 5 号 p. 457-460

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抄録

抄造ラインに数箇所設置されている既設パルパーのローター部改造により,30―50%のエネルギー削減を実現できたとしたら,高い費用対効果を見込めるのではないだろうか。
今回ご紹介するCellwood社グルッベンスパルパーは,そうした期待に応えられるパルパーである。50年の歴史の元に完成された高機能パルパーであり,全世界で2,500台以上の販売実績がある。
既設パルパーの改造は,性能の改善と省エネを行う費用対効果の高いプロジェクトである。処理量増加への対応,難溶解性の紙の離解,メンテナンス費用の削減等を行うといった目的で多くのパルパーの改造が行われている。
そういったプロジェクトにおいて,Cellwood社 のローターによる既設パルパー改造を行った場合,従来のパルパー比較して約30―50%のエネルギー削減を見込める。
効率的にパルプの離解を行う上で重要な事は,高濃度下において流動性を確保し,パルプ内に大きな摩擦を発生させる事である。Cellwood社のローターを取り付ければ,離解槽内を撹拌する回流をローターが生み出すことができ,高濃度で原料の処理を行うことができる。
本稿では,Cellwood社グルッベンスパルパーのローターを用いた省エネ効果について紹介する。

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© 2012 紙パルプ技術協会
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