紙パ技協誌
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総説・資料
これまでの常識を覆した発想のオンライン測定
―ZipLine―
小島 幹郎
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2016 年 70 巻 3 号 p. 283-286

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抄録

シートプロセスの品質管理において,QCS(BM計)は必要不可欠であり,その精度と安定性の要求度は高い。一方で精度と安定性を維持する為に,多くの労力,時間そして相応の保守コストが発生している。日本ではQCS設置の為の十分なスペースを確保できないことから,設置を断念する事も少なくない。ハネウェルは,いままでの常識にとらわれない新しい発想と最新の技術によって,QCS導入の妨げになる課題を取り除き『ZipLine』を開発した。
『ZipLine』のフレームレス機構は,狭いスペースや,マシンフレームを使っての設置を可能とした。また,従来まで必須であったQCSの使用パーツのうち90%の削減に成功し,消耗品の長寿命化を図った事はランニングコストを大幅に削減することにつながっている。最新の技術はセンサとコンピュータ間の信号を無線化とした。『ZipLine』の少ない部品構成とフレームレス機構は,専用のコンテナやトラックは不要となり輸送コストにおいても大幅なコストとリスクのリダクションを実現した。
『ZipLine』は,最新技術を随所に採用しながらも,手軽なQCSとなっている。
常識にとらわれない発想と最新の技術は,多くのユーザーにQCS採用の門戸を開いた。

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