2017 年 71 巻 12 号 p. 1422-1426
構造物などを効率よく維持管理するためには,定期的な点検により健全度を的確に把握することが重要である。そこで,近年では広く利用されるようになった無人航空機ドローン(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)が,人のアクセスが困難な場所にも空中から接近し,計測・画像撮影などが可能であることを利用し,インフラなどの構造物の劣化状態に関する点検・診断への活用の研究が進められている。また,写真測量技術を活用して構造物の三次元データを取得し,点検・診断に適用する試みも進められている。メリットとしては,①今まで点検できなかった箇所が可能となる,②点検作業員の安全性確保,③点検コストが安価になる,④特種な点検が可能になる,といったことが挙げられる。本発表では,弊社が取り組むドローンを用いた測定や施設の維持管理への応用事例である,水門の計測と3Dモデリング,防波堤の計測・点検,太陽光発電パネルの計測・点検など適用事例を報告する。