紙パ技協誌
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計装特集
ドライブ装置の変革と未来
塩田 哲司中嶋 亮
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2017 年 71 巻 3 号 p. 274-278

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抄録

セクショナル駆動電気品の主となるドライブ装置(電動機を可変速駆動する装置)およびドライブシステム(設備に応じてドライブ装置を制御するシステム)については,効率や安定性,メンテナンス性,コスト等のさまざまな面を考慮し,その時代の最先端の技術を導入したシステムが適用されている。古くは電動発電機方式(ワードレオナード)による駆動装置が最先端技術として導入された。現在の技術からすれば設備コスト面,効率,メンテナンス性等多くの課題がある設備であるが,納入当時においては最新鋭,最適なソリューションを提供した設備であった。この事例のように現在に至るまでドライブ装置における変革は,多くの改善が図られている。1990年代に開発されたIGBT素子によるインバータ装置は、基本的な考え方は現状もほぼ同じであり、電力変換装置としては,回路構成がシンプルな電圧形PWM制御に収斂(しゅうれん)されてきた。その中で容量拡大,高集積化,高速伝送化,国際規格や安全規格対応,環境対応,エンジニアリングツールの高機能化が図られてきている。今後は次世代半導体素子適用等によるハードウェア面の変革のみならずIoT(Internet of Things)等を応用したソフトウェア面での改善,変革が進むと予想される。情報処理が高度化するにつれ,単体の情報を活用したドライブシステム全体の適用方法がこれからは注目,活用されていくと考える。

本報告では,製紙機械におけるドライブ装置の変革を説明し,現状の設備,今後の展望(未来)について述べる。

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