製紙工場排水は主に活性汚泥法で処理されているが,BOD容積負荷は1.5kg/(m3・日)程度の比較的高負荷で運転されているケースが多い。このような設備では排水のBOD負荷変動に対応できにくい。その結果として,生物処理が不安定になり,処理水透視度の低下,バルキングによる沈降不良などのトラブルが発生しやすい。この度,原水BOD負荷増加対策,生物処理水の安定化,バルキングの抑制を目的に丸三製紙株式会社殿に弊社の高効率BOD処理システム(バイオアタック:BA)及び上流監視システムを納入し,その導入効果を確認した。
バイオアタックの導入により,1)バイオアタック槽にて原水BODの70~90%は処理され,曝気槽へ流入するBOD量は減少し,年間を通じてその流入BOD量は安定,2)生物処理は安定し,透視度が10~25度向上,3)糸状性細菌は減少し,曝気槽汚泥の汚泥沈降性が20~30%向上,4)生物処理用の薬品費は約1/20まで削減」の効果が確認された。また,オンラインTOC計を用いた上流監視システムの導入により栄養剤を適正に管理でき,バイオアタックの導入効果を助長した。