日本外傷学会雑誌
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症例報告
気道の異物除去に合併した上行咽頭動脈損傷の1例
藤芳 直彦鈴木 浩二当間 雄之
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2020 年 34 巻 3 号 p. 49-52

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抄録

 気道異物の除去行為と胸骨圧迫により, 咽頭損傷と肝損傷を合併した症例を経験した. 症例は60歳代の女性で, 食物による窒息を起こし心肺停止状態に陥った. 気道異物を除去し胸骨圧迫が施され, 心拍が再開した後に当院に来院した. 来院後に上行咽頭動脈の損傷と肝損傷が判明し, ともに経カテーテル的動脈塞栓術 (以下TAE) による治療を必要とした. 外傷診療におけるTAEは有用な止血手段であるが, 塞栓する動脈によっては使用を避けるべき塞栓物質がある. このためTAEを行う際には適切な知識が必要である.

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© 2020 一般社団法人 日本外傷学会
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