紙パ技協誌
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研究報文
硝酸前加水分解ソーダ蒸解法によるアブラヤシ空果房のバイオリファイナリー.フルフラールと溶解パルプの生産
アグスタ サモドラ プトラ中川 明子梶山 幹夫大井 洋
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キーワード: A6非木材原料, H0その他
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2018 年 72 巻 6 号 p. 650-657

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抄録

アブラヤシ空果房(EFB)などの豊富な廃棄農業残留物は,フルフラールを製造するためのバイオマスの代替供給源を提供することができる。本研究の目的は,硝酸を用いた前加水分解により,EFBからフルフラールと溶解パルプ(DP)を調製することであり,キシランを含む前加水分解物からフルフラールをどのように製造できるかを調べることである。硝酸前加水分解物中のフルフラール収率は,酸触媒による脱水によってEFB材料重量の6.2%に増加した。硝酸の前加水分解に続く大気圧下でのソーダ蒸解によって,DP原料を調製し,得られたパルプをモノ過硫酸(Psa),二酸化塩素(D0,D1)および過酸化水素(Ep)を用いて漂白した。白色度90.4% ISOおよびパルプ粘度6.5cPのパルプが得られ,これらはインドネシア工業規格に適合したが,キシラン含有量がやや高く,α-セルロース含有量は83.0%であった。

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© 2018 紙パルプ技術協会
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