近年のチップ需給は中国のパルプ生産量の急激な増加の影響などで従来から大きく変化してきている。需要面では2018年に中国が初めて日本を上回る世界第1位の輸入国となった。世界全体では,アジア地域で合計27百万BDT(絶乾トン),欧州地域を加えて約30百万BDTの貿易量となり,チップ需要は史上最大数量を更新した。供給面でも2018年にはチップ3大供給国であるベトナム・豪州・チリでそれぞれ史上最高の輸出数量を更新したものの,3ケ国ともに今後の供給には不安を抱えており,先々のチップ需給はひっ迫気味に推移すると見込まれる。本稿ではチップ需給を需要面・供給面に分けて分析し将来の市況見通しを考察する。