紙パ技協誌
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73 巻, 8 号
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パルプ特集
  • パルプ技術委員会
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 703-704
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり
  • 大森 夏樹
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 705-708
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    近年のチップ需給は中国のパルプ生産量の急激な増加の影響などで従来から大きく変化してきている。需要面では2018年に中国が初めて日本を上回る世界第1位の輸入国となった。世界全体では,アジア地域で合計27百万BDT(絶乾トン),欧州地域を加えて約30百万BDTの貿易量となり,チップ需要は史上最大数量を更新した。供給面でも2018年にはチップ3大供給国であるベトナム・豪州・チリでそれぞれ史上最高の輸出数量を更新したものの,3ケ国ともに今後の供給には不安を抱えており,先々のチップ需給はひっ迫気味に推移すると見込まれる。本稿ではチップ需給を需要面・供給面に分けて分析し将来の市況見通しを考察する。

  • ─ブラジルにおけるパルプ企業植林の生産性向上の取り組み─
    大渕 弘行
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 709-717
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    ブラジルのパルプ産業が隆盛を極めている根源はユーカリ植林にある。ユーカリの原産地はオーストラリアであるが,1914年に鉄道の枕木や橋梁材,機関車の燃料として導入された。1921年に鉄鋼業が木炭高炉法を採用し,木炭用ユーカリの大規模植林が進んだ。1956年にはパルプ原木として使用開始され,パルプ用植林も行われるようになった。

    植林の基本は“適地適木”であるが,ユーカリはブラジルに適したのである。産業植林が目指すのは,“限られた面積で最大の収穫量を得る事”である。育種・育林技術に注力した結果,1970年代のha当り年間平均成長量(MAI)25m3が2000年代には40m3に増えた。

    今回,ブラジル植林木産業連合会(ibá)の立ち上げ,ブラジルでの遺伝子組換えユーカリの作出,およびCENIBRA 社の植林事業について論ずる機会を与えて頂いたが,全て時代の要請を捉える方向に着実に歩んでいると評価したい。

  • 岩崎 誠
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 718-724
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    2017年現在,日本は,1,460万tの紙と1,193万tの板紙を,古紙(約60%)と針葉樹と広葉樹パルプ(約30%)と輸入パルプで賄っている。この原料パルプの配合に落ち着くまでに,種々の変遷があった。製紙用のパルプを作る技術は,主に,原料問題,紙パを取り巻く環境問題および紙に対する市場のニーズが大きく影響している。

    本稿では,これらの影響が,どのようにパルプ化技術に影響し,現在のような世界に誇る製紙大国になったかを,第二次世界大戦後から2010年頃までに絞って紹介する。

  • 後藤 隆徳
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 725-731
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    原質工程で求められている技術として,省エネルギー・品質アップ・歩留り向上などが挙げられる。近年の古紙品質の悪化や電気料金の値上げといった製紙業界に関する条件が厳しくなってきていることもあり,原質工程の効率化はDIPに限らず年々重要になってきている。

    そうした中,システム全体の更新や機器の増設という考えではなく,限られた予算の中で各設備の主要機器や部品の交換によって省エネ・品質や歩留りのアップを狙うというニーズが年々増えている。DIPラインは,その複雑さから既設設備を調査及び診断することによって,より効率の良い設備に更新できる可能性を大きく秘めている。

    そこで,原料古紙中に異物を多く含み,高歩留まりで高白色度の品質の高い製品を製造する場合のDIPシステムを例にとり構成する各工程の最新機器の技術について紹介する。

  • 山下 宏
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 732-735
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    セニブラ社(Celulose Nipo–Brasileira S.A.)では1977年の工場操業開始から稼働していた漂白工程Line 1を設備の老朽化,それに伴うメンテナンス費用の増加,生産性の低下への対策および漂白薬品・ユーティリティー原単位の改善を目的として,新しい漂白工程Line 3の建設を行った。バルメットはその新漂白工程Line 3に第五世代のプレス洗浄機(Twin Roll Press Evolution,TRPE)をベースにしたプラント建設を請け負い,セニブラ社は2018年4月から実機運転を開始した。また,セニブラ社では,同じく漂白設備が老朽化した漂白工程Line 2の近代化改造のプロジェクトを計画し実施している。

    本稿では,新漂白工程Line 3の建設において,漂白シーケンスの選定,洗浄機型式の採用,及び立ち上げた後の実機操業における各原単位の改善状況などについて紹介する。

  • 池田 功介
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 736-739
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    クラフトパルプ製造設備における漂白工程では,操業・品質の安定化により薬品コストの削減と運転員負荷軽減を同時に達成する自動制御化のニーズが高まっている。岩国工場は,5KP(LBKP)と3KP(NBKP/LBKPスイッチング)の2系統のクラフトパルプ製造設備を有しており,今回設備導入した5KPは1,550ADt/dayの設備仕様能力を有している。漂白工程は製品銘柄に応じて完成原料の白色度とカッパー価をA(酸処理)–D0–E/P–D1の4段シーケンスにより制御しているが,品質規格(白色度下限)の遵守に伴い,高白色度となることが課題となっていた。これまでの操業では,反応タワー前後の白色度ならびにカッパー価を基に運転員が二酸化塩素や過酸化水素などの薬品添加量を操作していたが,ハンチングと安全幅を考慮した薬品過剰添加と品質超過(高白色度)が発生していた。

    ハンチングは運転員の熟練度が高いほど小さくなる傾向があるため,膨大な情報を瞬時に処理できるモデル予測制御(MPC)に,このノウハウを活かすことでハンチングを抑制した。安全幅は,薬品添加量を連続的にコントロールできないことに加えて,オンライン式の白色度計が工程の濃度変化や薬品などの外乱影響を受けやすく相対値での管理となることに起因しているため,MPCの導入に加えて,オンライン式の白色度計と併せて最新式のカッパー価計に白色度モジュールを追加し,白色度を絶対値で管理することで安全幅を抑制した。

    今回,Valmet APC Bleaching Optimizer(VBO)とKappaQCの導入により,完成原料白色度の標準偏差を0.61から0.48へと改善し,白色度下限値を下回ることなく完成原料白色度の平均値を0.5 point低減した。この結果,二酸化塩素を12%,苛性ソーダを29%,過酸化水素を37%削減した。本稿では,VBOとKappaQCの導入から安定操業に至る経験について報告する。

  • 森 芳立
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 740-754
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    紙パルプ製造工程の晒工程を対象に,まず一番,重要な制御機能として使われるPID制御(P:比例,I:積分,D:微分)の各制御動作の基本について説明,PID制御によるプロセスの制御応答の変化について示しながら,比例ゲイン,積分時間,微分時間のチューニングの重要性について述べる。

    また,PID制御は非常に有用な制御機能であるが,例えば,晒工程のようにむだ時間がとても長いプロセス,そして,制御応答が相互干渉し合う複雑な反応を示すプロセスに対し,その機能上,制御性能面で弱点を持つことを示し,それらの問題点を回避するため取組まれてきた対策について紹介する。パネル計装時代以来,そして,1980年代末からのDCS(Distributed Control System)で取組まれてきたカスケード制御,統計解析で導出した重回帰モデル式を用いた晒アドバンスト制御,そして,1970年代後半のパネル計器や1980年代末からのDCSに,プロセスコンピュータを接続した上位計算機導入による多入力一出力の晒フィードフォワード制御の取り組みについて,そして,2000年代初頭から日本の紙パルプ産業でも取組まれ始めた多入力多出力の多変数制御を用いたPCによるモデル予測制御(MPC:Model Predictive Control)の取り組みなど,晒工程に適用されてきたプロセス制御技術の変遷について述べる。また,晒制御に使われる精巧な種々の特殊センサーに発生したトラブル,そして,モデル予測制御で併用されるソフトセンサーについても紹介する。最後に,現在,産業界で進展中のIIoT(Industrial Internet of Things)技術,機械学習技術,人工知能(AI)技術などについても触れ,これら新技術の今後の晒制御への適用についても考えて行く。

  • 土井 亮輔
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 755-759
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    製紙工程におけるピッチによるトラブルは,紙の生産性を損ない,操業性の悪化につながり,そして紙の品質低下を引き起こす。例えば,DIP工程フローテーションにおいて効率よく粘着物の除去が出来なければパルプ品質を損なう可能性がある。また,KP工程における洗浄工程にて効率よくパルプ由来のピッチを洗浄出来なければ,漂白薬品の増加,抄紙工程でのトラブルを誘引する可能性がある。さらにKP工程で使用する消泡剤が適切でない,最適な添加場所でない場合,系内のパルプの集積化など生産性の悪化に繋がる可能性がある。近年の製紙業界では,古紙利用率,植林木利用率の増加,また系内クローズド化によって,粘着物によるピッチトラブルが増加傾向にあり,安定操業・品質向上を目指す製紙技術者にとって大きな課題のひとつとなっている。原質工程における従来のピッチコントロール方法はマイクロタルク,界面活性剤,アニオン,カチオンポリマーの使用が一般的であり,低コストで高い効果が得られている。しかしながら昨今では,更なる品質,生産性向上に対する要求が高まっており,従来のピッチコントロール方法では満足いく結果が得られないケースが多く,新たな対策方法が求められている。

    弊社は昭和23年に製紙用薬品を全国の製紙会社に供給開始して以降,お客様と共にピッチトラブル改善に取り組み,お客様工程毎のカスタマイズ製品を多数取り揃え,ピッチトラブル解決のケミカルアシスタントとして今日に至っている。

    本稿では原質工程におけるピッチコントロール方法について弊社の取り組みについて述べる。

  • 榎本 幸典, 文原 正和
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 760-764
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    パルプの効率的な洗浄はパルプ製造工程において重要さを増してきている。パルプの洗浄工程では,蒸解工程で使用される薬品の回収とともに後段である酸素脱リグニン工程や漂白工程で不要なその他抽出物やリグニンなど非繊維物質のパルプ繊維からの分離・除去が行われる。近年は新聞用紙や印刷用紙の需要減少が続いており,各製紙会社では生産性の向上が求められている。例えば,原料チップを最大限有効利用する為に,連続蒸解釜の釜底からブローされるパルプのカッパー価を上げた操業が挙げられるが,パルプは最終的に求められる白色度まで漂白する必要があり,この操業方法では漂白薬剤の使用量が増加してしまう傾向にある。

    未晒工程でのパルプ洗浄を効率的に行うことで,洗浄水や漂白薬剤の使用量削減及び酸素脱リグニンの反応効率向上等が可能と考えられる。我々のパルプ洗浄剤を用いることでパルプ濾水性の向上とリグニン断片やピッチなど疎水性物質の洗浄・除去が可能となる。パルプ濾水性の向上により,効率的な置換洗浄やDFの低減が期待出来る。洗浄水量の低減は回収ボイラーへ送られる処理黒液の固形分濃度を上昇させ,エネルギー効率を改善する。また,疎水性物質の効率的な除去は,酸素脱リグニン工程の効率向上や漂白薬剤使用量の削減を可能にし,また,発泡性物質を低減することが出来れば,消泡剤使用量の削減にも繋がる。パルプ洗浄剤を適用した海外事例と日本市場向けに新たに改良した製品についてご紹介する。

  • 中村 宏平
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 765-769
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    黒液は固形分濃度70%程度まで濃縮することにより,回収ボイラにて自燃することが可能となる。温水洗浄工程から排出される黒液は濃度16–22%であり,回収ボイラでの熱回収効率をあげるために,黒液濃縮設備にて濃縮される。黒液濃縮設備(V/E:Vacuum Evaporator 真空蒸発設備)は,処理液を加熱することにより処理液中の水分を蒸発・分離する設備である。

    1970年代以前は,チューブ式の蒸発設備が主流であったが,黒液を濃縮する際のスケーリングが顕著であった。1970年代からは,耐スケール性に強みをもつプレート式の蒸発設備が導入され,安定操業と黒液の高度濃縮が実現されてきた。

    本稿では,プレート式蒸発設備である住友エバポレータの特徴等を紹介すると共に,黒液濃縮設備の原理や多重効用蒸発設備の考え方及び操業のポイントについて紹介する。

  • 戸田 雅
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 770-773
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    製紙工業におけるロータリーキルンは,苛性化工程から発生した炭酸カルシウムを回収し,再び苛性化工程に使用するため生石灰に再生する設備であり,石灰泥回収キルンなどと呼称される。ロータリーキルンとは円筒状の長さが最大100mを超える胴体を3〜5つからなる支点によって支えられて回転する設備である。ある一定の傾斜角をもって設置されており,操業中は絶えず回転することで炉内処理物がinlet側からoutlet側まで時間をかけて流れ,outlet側に設置されたバーナーによって炉内処理物はoutlet側に進むにつれて熱交換が行われる。ロータリーキルンの鉄皮が高熱に曝されるのを防ぐためにキルンの内側には耐火物が施工されているが,様々な要因によって耐火物の損耗が進行する。その中でも耐火物の大きな損耗に繋がった例として溶融による損耗および機械的スポーリングによる損耗例について実例を交えて報告する。溶融による損耗は耐火物の液相生成温度を超えることのほか,炉内処理物やその他燃料由来等の外来成分との反応によって低融点鉱物を生成することで生じるため,耐火物の耐火度を向上するほか,耐火物を構成する主成分を変更することが対策となる。機械的スポーリングはロータリーキルンのような可動炉特有の損耗形態であり,外部からの応力のよって生じるため,ロータリーキルンの荷重バランスなど機械的なメンテナンスを講じることが対策となる。

  • 小島 道一
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 774-778
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    この30年間に古紙利用率が大幅に向上し,中国は古紙の最大輸入国として大きな役割を果たしてきた。しかし,2017年7月,中国は,2017年末に古紙の輸入制限を厳しくする方針を発表した。輸入ライセンスの発行を抑え,また,輸入を認めている古紙についても夾雑物の割合に関する基準を厳しくした。さらに,さまざまな種類の古紙が混ざっている「その他古紙」の輸入を禁止した。これらの中国の輸入制限より,古紙の国際貿易は大きく変化している。本稿では,最近の古紙貿易フローと,古紙輸入に関する中国の規制について概観した。

  • 山本 英男, 和田 敏, 小松 充, 村野 正幸
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 779-783
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル 認証あり

    近年の低迷する紙需要を受けて,各製紙会社には生産性の向上,コストダウン等による収益性の改善が益々求められている。クラフトパルプ化工程においても,不均質な原料の使用,省薬品,省エネルギーによる操業を行う必要があり,それに伴うさまざまな課題が顕在化している。本稿ではその中でピッチ成分,パルプの白色度,シュウ酸カルシウムスケールについてのソリューションを紹介する。

    原料由来のピッチ成分については新たに開発したピッチコントロール剤により,パルプの脂肪酸,樹脂酸等を剥離することで溶媒抽出量,チリ数が低減することを確認した。消泡剤由来のピッチ成分については黒液中で安定性が高い商品を開発し,黒点を大幅に低減することができた。パルプの白色度についてはリグニンを脱離し再付着を防止する洗浄剤で白色度が向上することを確認した。シュウ酸カルシウムスケールについては,スケール防止剤の最適化により高pH下での性能を強化し,実機での連続操業期間を大幅に伸ばすことが出来た。

    これらの事例をはじめとする弊社の最新ソリューションによって,お客様の抱える課題を解決し,生産性の向上と安定操業の確保を達成することで製紙業界に貢献していきたい。

研究報文
  • 小林 孝男
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 8 号 p. 786-792
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル フリー

    最適な段ボール箱の仕様を決定するには,多くの試作と実験を繰り返すため,箱圧縮強度の事前予測ができれば開発期間短縮も可能となる。そこで,非線形有限要素解析を用いた,段ボールの箱圧縮強度の予測手法について検討を行った。箱圧縮試験を模したシミュレーションでは,簡易的に段ボールをシェル要素でモデル化可能と仮定した。幾何学的非線形と材料非線形(弾塑性)を考慮し,分岐座屈や初期降伏,材料破壊などを経て,実際の試験同様,荷重-変位曲線の極大に至る現象を再現した。物性値として,段ボールシートの垂直圧縮試験で得られた応力-ひずみ曲線のデータや,罫線軸回りの回転剛性を入力することで,座屈形状(座屈モード)や手穴の有無による箱圧縮強度の差異を実験結果と一致させることができた。検討の結果,箱圧縮強度に影響を与える因子としては,⑴段ボールシートの垂直圧縮強度,⑵箱コーナー部の曲げ剛性,⑶座屈モード,⑷箱の形状,などが考えられる。本報により,数値シミュレーションによる箱圧縮強度の推定は,箱仕様の最適設計や新製品開発の納期短縮を実現する手段として有効であることが証明できた。

  • Takao Kobayashi
    原稿種別: research-article
    2019 年 73 巻 8 号 p. 793-800
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル フリー

    Many prototypes and experiments are repeated in order to decide the specification of the optimum corrugated fiberboard box, so if it is possible to predict the compressive strength of the box in advance, the development period can be shortened. Therefore, a method of predicting compressive strength of corrugated fiberboard boxes using nonlinear finite element analysis was studied. Considering geometric nonlinearity and material nonlinearity, phenomena leading to the maximum of the load through bifurcation buckling, initial yielding and material failure were reproduced. As the material properties, the order of the buckling mode and the box compressive strength matched the experimental results by inputting the data of the stressstrain curve obtained by the edgewise crush test of the corrugated fiberboard and the rotational rigidity around the crease line axis. As factors influencing the box compressive strength, it is conceivable that the edgewise crush resistance of the corrugated fiberboard, the bending rigidity of the box corner part, the buckling mode, and the shape of the box. It was proved that estimation of the box compressive strength by numerical simulation is effective as a means to realize optimum design of the box specification and shortening the turnaround time of new product development.

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