紙パ技協誌
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新入社員歓迎号 ⁄ 設備診断・保全 ⁄ 計測・分析 ⁄ 物流 ⁄ 防虫特集
生産現場における安価なIoTデバイスの活用
田中 康弘笠井 誉子加藤 真
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キーワード: V0その他
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2025 年 79 巻 4 号 p. 331-335

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抄録

IoT(Internet of Things,モノのインターネット)の有する「多くの資源投下なしにリーンスタート(コストを掛けずに試作品を作り,コンセプトの実用性等を検証する開発手法)が可能」と言う側面に着目し,2種の取り組みを行った。1つ目は民生用センサ・エッジデバイスを用いた熱中症対策システムの構築である。民生用のIoTデバイスは,信頼性や堅牢性と言う点で産業用デバイスに見劣りする欠点が敬遠され,我が国における産業応用は進んでいない。しかし,高い信頼性や堅牢性が必須の要件ではない用途においては,民生用のIoTデバイスが高度な管理を低コストに実現出来る手段となる可能性がある。本報告では,デバイスの低信頼性をカバーする動作アルゴリズムの採用等の手段を講じることで,作業現場の熱中症対策に用いる暑さ指数の集中監視システムを,実用レベルの性能・信頼性を確保しつつも,低コストに構築できた経験について報告する。2つ目は,スマートフォンを用いた一人作業安否確認システムの構築である。製紙工場の省人化に伴い増えている一人作業の安全対策として,業務用に貸与しているスマートフォンに,新たに作成したアプリをインストールし,正常に作業に従事できているかを継続的に監視できるシステムを,新規なハードウェアの導入無しに構築できた経験について報告する。いずれのシステムにおいても,安価なハードウェア,他用途で既に導入済みのハードウェア,価格性能比の高いクラウドサービス等を利用することで,要求された機能・性能を,従来一般的な手法によるものよりも大幅な低コストで実現することが出来た。

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