2021 年 82 巻 3 号 p. 529-533
症例は54歳,肥満(2度)男性.5年前より検診で右横隔膜挙上を指摘されていた.呼吸困難を主訴に受診し,胸腹部造影CTで右胸腔内に小腸,横行結腸,大網の脱出を認め,横隔膜ヘルニアと診断した.造影CT後より,咳発作を認め,呼吸不全となった.入院の上,人工呼吸管理とするも呼吸状態は改善を認めず,手術を施行した.開胸すると,右横隔膜腱中心に約10cm大の欠損を認め,脱出臓器は肝右葉,胆嚢,小腸,横行結腸,大網であった.脱出臓器が大量であり,大網切除と胆嚢摘出にて容積減量後,脱出臓器を還納し,ヘルニア門にメッシュを固定して手術を終了した.術後3年経過した現在も再発を認めていない.呼吸不全に至り,人工呼吸管理を要した成人特発性横隔膜ヘルニアの1手術例を経験したので報告する.