1996 年 50 巻 12 号 p. 1708-1714
近年ブレードコータは高速, 広幅化が進みコータヘッドには数々の改良が加えられてきた。ブレードコータは塗料を塗工する給液システムと塗料をかき落とすブレード計量システムに分けられ, それぞれが塗工品質に大きな影響を与える。給液システムは, 塗料を流れ方向, 幅方向に均一に塗工することが重要であり, 高速塗工用としてはジェットファウンテン方式が多く採用されている。ブレード計量システムは, ブレードの押圧を広範囲に精度良く調整でき, さらに紙に対する接触角度を一定に保つことが重要である。また, 幅方向の塗工プロファイルも安定させることも重要である。
本報文では,
(1) ジェットファウンテン方式, チャンバー方式, ロール方式の各給液システムを紹介し, その特徴についてまとめた。
(2) 塗工中にブレードに作用する力を理論的に解析し, 高速塗工時にブレード計量システムに求められる機能について多方面から考察した。