紙パ技協誌
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ソフトカレンダの作用と構造
住友-バルメットのソフトカレンダ
結城 幸一
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1996 年 50 巻 12 号 p. 1731-1737

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抄録

カレンダリングは, 紙の仕上げ工程において印刷適性の向上を図るため, 紙に平滑性及び光沢を与えることを目的としているが, 従来は一般的にスーパーカレンダまたはマシンカレンダで行われてきた。しかし近年の抄紙機及び塗工ラインの高速化, 効率化及び紙の品質の高級化に伴い, ソフトカレンダによるカレンダリングが採用されつつある。この方式では, 紙がニップ点を通過する際に, ソフトカバーが変形するため, 紙の緊度を一定にする。これにより紙の繊維を破断することが少なく紙の強度を低下させない。また, ホットロールによって紙表面のソフト化が実現でき, 必要な平滑および光沢を得ることが出来る。さらにソフトカレンダは, オンマシンに適用できることから, その運転効率についても注目されている。
本報文では, 生産する紙の品種に対する機械的コンセプトの違いとその適用について, またソフトカレンダの機械的設計上のポイントに焦点を当て, その構造と機能についてまとめてみた。

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