紙パ技協誌
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ソフトカレンダーの最新技術
スベンカ ピーター (博士)小野 豪臣
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1996 年 50 巻 12 号 p. 1738-1747

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抄録

最近, 抄紙機オンラインでのソフトカレンダーは, 塗工紙を初め, 新聞用紙, 板紙等種々の品質管理に適用され, 大きな広がりを見せている。
このソフトカレンダーの普及には, 弾性カバー材, 及び機械エンジニアリング, とりわけクラウン可変ロールとその制御システム分野の発展が大いに寄与しており, 現在その使用範囲はロール表面温度200℃, ニップ圧 350kg/ cm まで可能になっている。この高温, 高ニップソフトカレンダーの効果としては, 紙の印刷適性が向上するだけでなく, 少数ニップ (2~4Nip) で従来スーパーカレンダーでのみにしか達成できなかった品質水準まで到達してるといえる。
高温, 高ニップソフトカレンダーを安定的に稼働するには, その装置を構成する各要素に次のような細心の設計的配慮が必要となる。
(1) 振動の出ないフレーム構造。
(2) ロール表面温度が均一でしかも精度を確保されたヒートロール材質, 及び構造。
(3) 弾性カバー材を保護し, 再研磨同期を延す為の各装置と制御。
また, ソフトカレンダーには製品の均一性, いわゆる, グロス, キャリパープロファイルを均一にする機能も要求され, 従来のロール表面温度を変化させ, プロファイル修正を行うアクチューターに代り, ロール本体にキャリパープロファイル機能を付加した新型ゾーンコントロール (マルチハイドロバリオ) 等, 最新のソフトカレンダー装置について紹介する。

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