紙パ技協誌
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スーパーカレンダーについて
神宮路 正
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1996 年 50 巻 12 号 p. 1748-1756

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抄録

抄紙機, 塗工機の高速化の流れの中で, 従来型スーパーカレンダーの省力化, 操業効率の改善にポイントをおいて具体的な解決策を紹介する。
一般にスーパーカレンダーの操業効率は65~70%と低い状態にある。
生産能力を拡大させるためには, 弾性ロールの寿命に大きく影響を与える操業速度を最高に上げることよりも操業効率を改善することが正しい解決法である。スーパーカレンダーの操業を低下させている要因を具体的に抽出するため, 生産現場において1ケ月間にわたりデータ収集を行った。
その結果, 阻害要因の改善 (自動化) により, 約20%の効率アップが可能であることが判明した。具体的な方策としては, アンワインダーおよびワインダーでの自動スプライス装置の装備, 弾性ロールのトレーニングおよび交換作業の自動化である。
この改善と平行して, 省力化対策のポイントとしてレイアウトがある。国内に設備されているスーパーカレンダーは, 大部分がC型であるが問題が有る。最近開発されすでに実機に採用されている U 型については, 設備上の制約がなければ検討に値するものである。
今後のスーパーカレンダーとしては弾性ロールの材質を樹脂系材に替え, 金属ロールの加熱温度も100℃以上に上げることでスピードアップをはかる方法も選択肢の1つとして考えられる。この場合, ロールの段数を自由に選択できるシステムと合わせて対応することで応用範囲がさらに拡大する。

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