紙パ技協誌
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化学改質したチオリグニン抗菌活性
山田 まゆみ中野 準三種田 英孝
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1996 年 50 巻 12 号 p. 1796-1805

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抄録

前報 [本誌49 (12), 114 (1995)] では23種類のフェノールカルボン酸を選択し, その化学構造が抗菌活性に及ぼす影響を調べた。
本報では, 種々の条件下でアルカリ処理した改質チオリグニンの抗菌活性を検討した。結果を以下に総括する。なお, 未処理のチオリグニンは抗菌活性を示さない。
(1) 改質チオリグニンの抗菌活性は, 微生物の種類によって著しく異なる。
(2) 改質チオリグニンのエタノール可溶部は抗菌活性を示す。しかし, Aspegilluss nigerに対しては不活性である。
(3) 実験範囲内では, アルカリ溶融したチオリグニンの活性が最も高い。
(4) 抗菌活性は改質チオリグニンの添加量を増すと一定量までは増加するが, その後は増加しない。
(5) アルカリ処理によって, チオリグニンのカルボキシル基は増加する。C-13NMR法により, アルカリ処理によってフェノールカルボン酸型構造が生成することを結論した。

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