1997 年 51 巻 8 号 p. 1213-1223,035
Py-GCによって熱帯産広葉樹材リグニンのシリンギル核とグアイアシル核の比 (S/G比) を求めたところ, S/G比はニトロベンゼン酸化によるシリングアルデヒド/バニリン比とほぼ良い相関が認められ, Py-GCが簡便で有効な方法あることが示された。カプール材70%アセトン/水抽出物のパイログラムでは, 主要ピークとしてグアイアコール, 4-ビニルグアイアコール, シリンゴール, 4-ビニルシリンゴールが同定された。カプール材1%水酸化ナトリウム水溶液熱抽出物のパイログラムでは, 主要ピークとしてパニリンおよびアセトグアイアコンが認められ, この特徴は明らかにリグニンのパイログラムの特徴と異なっていた。