紙パ技協誌
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カンバス汚れ防止システムの効果と実績
山下 満
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1999 年 53 巻 9 号 p. 1170-1173,052

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抄録
古紙利用においては, 原料に含まれるピッチ・タール・ホットメルト等の粘着性物質を除去することは, 古紙再生技術の一つとして重要なことであり, ドライパートの汚れを防止する上でも一定の効果があることがわかっている。しかしながら, 古紙の配合率・リサイクル数が増加してくると, ドライヤー・カンバスが汚れやすくなる。古紙利用を進める製紙工場では, カンバス汚れの防止対策として高圧洗浄装置やワイヤブラシを用いて操業しており, 一定の成果は得られているものの, 運転中は, ある程度の汚れや通気度の低下は許容せざるを得ないのが現状である。汚れたカンバスで抄紙を続けることは, 製品の品質を低下させるだけではなく, 洗浄作業の発生等操業上多くの問題を引き起こす。従って「汚れないカンバス」の実現は, 古紙のリサイクルを進めていく上での重要課題の一つである。
当社ではr汚れないカンバス」を実現する方法として, 汚れの発生原因を抑え, カンバス表面の剥離性被膜を維持するシステムを開発した。このシステムでは, 表面処理剤をカンバス表面に常時スプレー散布し, 紙表面に影響を与えない数ミクロンの薄い被膜を形成することにより, 湿紙上のピッチ・タール等のカンバス面への付着を防止し, さらに表面処理剤のカンパス繊維への浸透効果によって汚れにくい表面へと改質する。また, 防汚効果が操業中常に維持される点が特長である。
本システムの導入効果の具体例として,
1) カンバス及びアウトロールの汚れが激減したことにより, 洗浄作業の軽減と乾燥効率の向上が図られた。
2) 当社ドライヤー汚れ防止システムとの併用により, 紙切れ回数が採用前の1/3-1/5程度に減少し, 生産性が3-4%向上した。
3) 紙粉発生量の激減とピッチ・タール等の付着がなくなったことにより製品の品質が向上した。等が挙げられる。
これらの効果は, 板紙から印刷紙まで適用した実績により確認されており, カンバスの汚れ防止は勿論のこと, 生産性や, 製品の品質向上にも有効であることがわかった。
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