紙パ技協誌
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保全管理システムの構築とその活用例
浜田 知明
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2001 年 55 巻 3 号 p. 317-324,016

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抄録

日本製紙勇払工場では, 1986年に, 新旧設備が混在する他様々な環境の中で, 体質改善を行い競争力の強化と品質向上による増収を図るべくTPM活動を導入した。この動きは勇払工場一丸となって押し進めるもので, 個人の意識改革も加え実践していった。
電装課としては, 使命でもある「設備の故障や不良を “ゼロ” にする」を掲げ, 活動の一端を担うことにした。そのためには, 計画的な保全体制づくりが必要と考え計画保全のマスタープランを作成しテーブルに基づき活動を展開していった。活動の一つに情報管理体制づくりの確立があり, 効果的に目的を達成するには, 先人が培った優秀な技術力とそのノウハウを確実に継承し生かしていくこと, 故障や補修の内容等の情報を蓄積してデータベース化し, その集中管理などを全体的に活用できる手段として保全管理システムの構築を行った。
当初, 当時市販されていたソフトを購入し運用して行こうと試み市場調査したが, どれも過不足があり自己のニーズに合うものがなく, 使う以上は快適で今後のシステム拡張にも柔軟に対応が可能なよう自分たちで構築することにした。システムは, 作業支援とも位置付けしパソコンの利便性を最大限引き出すと共にその反面使い勝手が悪くないよう心掛け業務効率化の一助になっている。蓄積された情報は, LANにてネットワークされ一度に多人数で利用し, 故障や保守作業等で各自が日々収集及び対処してきた事象を逐次参照することでスムーズな対応に役立っている。
本報では, 管理システムを用いた情報の集中管理による計画保全の有利性とその活用例を紹介する。

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