2001 年 55 巻 3 号 p. 366-372,020
中国のプランテーションで栽培する3種類の早成樹アカシアを樹齢の異なった段階で伐採し, クラフトパルプ化と漂白 (CEHシークエンス) に供し, パルプ化特性, 漂白特性を検討した。化学組成と, 細胞構成成分の構造的特徽の分析も行った。用いたアカシアは, Acacia mangium, Acocia auriculiformis, Acacia crassicarpaである。これらのアカシアはコンベンショナルなクラフトパルプ化法で容易にパルプ化され, カッパー価20で約50%の収率を与えた。同一樹種で樹齢の異なったチップの混合蒸解, あるいは樹種の異なったチップの混合蒸解の結果も良好であった。CEHシークエンスを用いた漂白により漂白特性を調べた結果, 漂白条件の最適化を行わなくても, 75%以上の白色度が容易に達成された。細胞壁成分の分析結果は, 典型的な広葉樹の化学組成を示し, 樹齢3年のものでも, 化学パルプ化に不適当な組成を示さなかった。