紙パ技協誌
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紙パルププラント用メカニカルシールの技術動向
スラリ用メカニカルシール
高橋 秀和
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2003 年 57 巻 4 号 p. 524-533,024

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抄録

紙パルプブラントにおいては, 蒸解工程から抄紙・塗工工程に至るまで, 各種ポンプや攪拌機, スクリーン, リファイナほかさまざまな回転機が多数使用されている。これらの軸封部には, 省エネ, 省資源, 省メンテナンスなどの経済性追求及び環境保全の目的で, 多数のメカニカルシールが採用され, 大きな効果が得られている。スラリ用メカニカルシールも多い。スラリ液は, 固着性と摩耗性があるため, メカニカルシールの取り扱い液としては厄介なもので, 短寿命のものも少なくなかった。特に, 塗工工程における高濃度炭酸カルシウムやコーティングカラーを扱う機器周辺及びピットは, 漏洩液により, 白く汚れているのが現状である。しかしながら, ラバースブリング形高濃度スラリ液用メカニカルシール (F764型) の開発, 実用化により実効を上げている。F764型の適用拡大により, 装置周辺が白い汚れから開放されることを期待してやまない。スラリ用メカニカルシールの考え方, 紙パルププラントにおけるスラリ用メカニカルシールの適用例を紹介する。

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© 紙パルプ技術協会
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