紙パ技協誌
Online ISSN : 1881-1000
Print ISSN : 0022-815X
ISSN-L : 0022-815X
SPMショックパルス方式軸受診断システム
二葉 勝亀井 稔
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 57 巻 4 号 p. 518-523,024

詳細
抄録

転がり軸受は広く回転機器に使用されており, その異常診断には振動法が多く使われているが的確に軸受の状態を把握することは困難であった。スウェーデンのSPMインスツルメンツ社により開発されたショックパルス方式 (SPM) による転がり軸受の診断方法は稼動中の軸受の外部に検出部を当てることにより瞬時に転がり軸受の損傷度合いを捉えるのみならず潤滑油の膜厚を定量的に計測することができる。これは, 稼動中の転がり軸受から発射されるショックパルス (衝撃波) は非常に微弱ではあるが, 転動面と転動体の間に介在する潤滑油の膜厚に依存し, 油切れ, 接触面の傷により著しくショックパルスが大きくなる事を利用している。SPM法は, 転がり軸受の損傷の発見, 予防保守のための交換時期の判断に役立つことは勿論のこと, 最適な潤滑油管理を可能にし, 転がり軸受の疲労寿命 (L10) の2倍まで寿命を延長させることが期待される。
野村商事 (株) ではSPM輸入総代理店ジェイテク (株) と一体となり紙パルプ分野でのSPM製品供給にあたり, ショックパルス方式の概要とSPM社製品の紹介をする。

著者関連情報
© 紙パルプ技術協会
前の記事 次の記事
feedback
Top