紙パ技協誌
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製紙工業向け新型白水ろ過機の紹介
高橋 知広
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2003 年 57 巻 6 号 p. 825-829,021

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抄録

水の再生・再利用の対象としては, その汚染度の低さと水量の多さから, 抄紙白水の再利用が第一に考えられる。一般に抄紙白水は水温が40℃ 程度と高く, この抄紙白水を再利用することは蒸気使用量の削減にもつながり, 抄紙白水を再利用するメリットは大きい。また, この一方で, 現状では抄紙白水の再利用が進んでいない工場が多い状況にあり, 今後抄紙白水再利用設備の需要は拡大が予想される。
抄紙白水の再利用技術としては, これまでにいくつかの技術が開発され実用化されてきているが, 良好な水質を安定して得られるという観点から, 現在まで砂ろ過がその中心となってきた。しかし, 従来のろ過機では, マッドボール形成に起因するろ床の閉塞やスライム障害などが起こりやすく, 運転の維持管理に問題を生じることがあった。
弊社では, 白水ろ過機における洗浄不良の問題を解決するため, 逆洗時にろ材の表層を撹拌できる撹拌機を設置した新型ろ過機を開発した。本報はその概要を紹介する。

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