2003 年 57 巻 6 号 p. 818-824,021
パルプ工程と漂白工程での濃度制御は正確で信頼できる結果を得られており, 濃度は工程稼働率を向上させるために制御されなければならない重要かつ基本的なパラメータである。抄紙機において, 白水濃度制御は業界標準としてみなされており, この制御戦略は効率的で有益であると証明されてきた。現在, ウェットエンド制御は次世代技術が推進され, リテンション助剤制御と凝結剤や固定剤を高濃度原料エリアで使用したチャージ要求量制御を組み合わせることによりより良い効果を上げている。白水濃度によるリテンション助剤制御は, チャージ要求量制御と平行に展開されており, 製紙工程で使われる全ての化学薬品がPM走行性と稼働率に影響を及ぼすこと理解することが重要である。漂白に使用される薬品がウエットエンドへ持ち込まれることは多々あり, リテンション助剤, 染料, 凝結剤と湿潤/乾燥紙力製品の最終的な効果に影響を与える。
本報は, ウエットエンド薬品制御分野での更なる理解を深め, リテンション制御とチャージ制御を解明し, また二つの制御のギャップに橋渡しをするものである。