抄録
日本における宇宙生物学の課題と日本における研究の動向について総説した。1992年には我国最初の本格的宇宙生物学実験であるスペースシャトルを利用した第一次材料実験(FMPT)が行われる他、第1次及び第2次国際微小重力実験室(IML-1、II)が予定され、さらに1999年以降には宇宙基地日本モジュール(JEM)の建設が予定されている。これまでの宇宙実験で組織培養は重要な地位を占めている。宇宙実験の機会は少なく、地上での宇宙模擬実験や短時間微小重力実験が重要である。最近これらの研究手段が整備されつつあり、宇宙生物学研究への利用が期待されている。