抄録
血病態と自律神経活動との関連性を明らかとするために,レーザードプラ血流計, R-R 間隔と収縮期血圧のスペクトル解析を用いて検討した。各対象者について血診断基準により血スコアを算出した。 断面的検討では, 皮膚血流量 (SBF) は血病態の重症化とともに減少し, 収縮期血圧低周波数成分 (SBP-LF) は軽度及び重度血群が非血群に比較して有意に高値を示した。 経時的検討では, SBF の変化量は血スコアと負の相関を示し, R-R 間隔成分比 (RR-L/H)・収縮期血圧低周波成分 (SBP-LF)・収縮期血圧成分比 (SBP-L/H) の変化量は血スコアと正の相関を示した。 SBF は交感神経活動にともない変化し, SBP-LF はα作動性交感神経活動と関連するとされている。 今回の結果は、 血病態がα作動性交感神経活動と密接に関連していることを示唆するものである。