抄録
雲南省及びチベット自治区で採集した168種の中国少数民族薬物の水及びメタノールエキスの抗HSV-1活性をプラーク減少法を用いて検討した。24種のエキスに抗HSV-1活性が認められ, さらにHSV-1を経皮感染させたマウスを用い, これらのエキスを約1週間経口投与した。その結果, Terminalia chebula (T42), Tripterygium hypoglaucum (Y42M), Moghania philippinensis (Y86M) のメタノールエキス, 及び, Tripterygium hypoglaucum (Y44H) の水エキスに有意な皮膚病変進展の遅延効果が認められた。また, Cassia fistula (T59), Choerospondias axillaries (T73) のメタノールエキス, 及び, Begonia evansiana (Y27H), Maytenus fookerii (Y60H), Potentilla griffithii (Y63H) の水エキスに生存期間の延長が認められた。これらのエキスには, 抗HSV-1活性を示す化合物が含まれており, 新規抗HSV-1化合物の探索に有用であると思われる。
