抄録
ベトナムは、多彩な天然資源とともに長い歴史のある伝統医療体系を有する東南アジアの国である。今回、我々はベトナムの Phu Quoc(フーコック)島と Ninh Thuan(ニントゥアン)省において、伝統的な医療活動と生薬による一般的な疾患の治療について土着の伝統医に対する面談により調査した。その結果、Phu Quoc島民は、島内の山にある野生の植物の方が庭で栽培された草木よりも治療効果があるという伝説とともに、植物を生薬として用いるための豊富な土着の知識と経験を持っていることが判った。Ninh Thuan省では、Chamという共同社会の人々が自らの独特の医療体系を持っており、いくつかの薬用植物が Cham の名前でのみ知られ一般的な疾患の治療に用いられていた。したがって伝統医薬の科学的の発展を促進するためには、これらの調査地域での薬用植物の分類研究、評価、標準化、および規定を高める必要がある。