日本臨床外科学会雑誌
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症例
緩徐に増大し十二指腸浸潤を認めた早期濃染を呈する肝内胆管癌の1例
森廣 俊昭青木 秀樹金谷 信彦須井 健太田中屋 宏爾竹内 仁司
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2015 年 76 巻 4 号 p. 873-879

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抄録
肝内胆管癌は発見時には切除不能であることも多く,切除後の再発率も高い予後不良の疾患である.十二指腸直接浸潤を認めた肝内胆管癌の1例を経験し報告する.症例は63歳の女性で,約2年前から肝S4の低吸収域を限局性脂肪肝として近医で経過観察されていた.上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に粘膜下腫瘍を認め,CTで肝S4から十二指腸に連続する33mm大の腫瘍を指摘された.十二指腸からの生検では神経内分泌腫瘍であり,腫瘍の主体は肝臓であることから肝腫瘤の十二指腸浸潤と考えられた.十二指腸合併肝亜区域切除およびリンパ節郭清を行ったところ,最終診断では肝内胆管癌と診断された.術後9カ月目に肝内再発を認めたが,TACEおよびRFAで加療し,術後31カ月現在も化学療法を継続し生存中である.肝内胆管癌の他臓器浸潤の報告例は少なく,緩徐に発育し十二指腸浸潤をきたすという特異な経過を示した.まれな症例であり報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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