Journal of Traditional Medicines
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Studies of Mu-tong, Akebiae Caulis (2)1)
Outer and inner morphologies of woody stems of Akebia plants growing in Japan and the botanical origin of Mokutsu produced in Japan
Sanae TATSUKAWAMasayuki MIKAGE
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2007 年 24 巻 6 号 p. 200-208

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抄録
漢薬 「木通」 は, 日局でその基源がアケビ科のアケビ又はミツバアケビの蔓性の茎であると規定され, わが国での国内需要のすべては国内野生品でまかなわれている。 日本に分布する本属植物は主にアケビ, ミツバアケビ及びこれらの雑種とされているゴヨウアケビの 3 分類群であるが, 生薬について種の区別はなされておらず, ゴヨウアケビ由来のものも流通している可能性が高い。 また, アケビとミツバアケビについて薬理作用や成分に差が認められ, 同属植物内でも種による使い分けの必要性が示唆されている。 しかし, 日本産については生薬の形態から原植物の鑑別は不可能であるとされてきた。 そこで, 日本産本属植物3分類群の木質茎の形態学的特徴を検討し, 市場品の基源鑑別法の確立を試みた。 その結果, 木質茎表面の色, コルク組織の構造及び茎の半径とコルク層の厚みの関係において相違が認められ, 90 % 以上の精度で 3 分類群を識別できる検索表を作成した。 これにより, 日本産 「木通」 について原植物の識別がほぼ可能になり, 日本産 「木通」 の主産地である信越及び四国産にゴヨウアケビ由来品が流通していることが示唆された。
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© 2007 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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